味大豆集落・あじまめ農園は虫倉山(1345m)の山腹にあります。しかし困ったことに隣の旧中条村には虫倉山に住む「山姥さまがゴマで目を突いたので作ってはならぬ、代わりにエゴマを作れ」という言い伝えが残っています。これは白ゴマが喜界島の特産から分かるように寒冷地ではゴマの栽培が難しく、そういう貴人のせいにして栽培を抑制していたもののようです。幸い圃場からは尾根があって虫倉山は望めず、山姥さまからも見えないから大丈夫?と言い訳して、寒冷地にもかかわらずゴマを作りはじめました。同時にこの地の人たちが昔から作り続けてきたエゴマも主要作物として栽培しています。なおゴマもエゴマも同じ油糧作物ですが、ゴマはゴマ科、エゴマはシソ科に属し「日照りゴマ、雨アブラ(エゴマ)」と言われ、栽培上は正反対の面があります。
5/31(2015年) 黒マルチの穴にに白ゴマの種を播く。暖地ではマルチは使わずに栽培できるが、ここでは地温を上げるために必要。50年ほど前までここ味大豆集落ではゴマができなかったので、欲しいときは標高の低い駒越集落へ餅米を持って行き交換していたそうだ。ただし大抵の場合はエゴマで十分に代用でき、エゴマ味噌を餅につけて食べたのを懐かしむ人も多い。
6/5(2017年) ゴマが発芽した!(この後間引いて2本立ちにする。)写真はポリエチレンのマルチだが、2020年頃より生分解性マルチに切り替えている。
7/12(2015年) 発芽したエゴマ。苗床には 稲わらを敷いて保湿。
7/31(2017年) 小型の管理機を使って、エゴマ畑で中耕培土 (雑草が生えてきた畝間の土をエゴマの際に寄せて成長を助ける作業)。
8/14 (2016年) 人の背丈より伸びた白ゴマ。花も上に上にと咲いていき20段以上になるので摘心する。白ゴマの花は白く、黒ゴマはピンク。
8/20 (2016年) ゴマの葉を食い荒らすメンガタスズメガの幼虫 。金沢医王山麓での栽培当初は何千匹もの幼虫に葉を食い荒らされ、殺虫剤を使えず捕殺していたが、ここではアルプスの風のおかげ!で発生は少なくて済んでいる。しかしそれにしてもゴマ虫はいただけませんね"(-""-)"
9/8(2017年) 中耕培土から40日経ち、山畑で日射しをいっぱいに浴びるエゴマ (^^)/。
10/17(2014年) エゴマを立て掛けて干す。「日照りゴマ、雨アブラ(エゴマ)」という諺があり、エゴマは耐湿・耐冷性に富み、土質もあまり選ばないので棚田で育てた(下の田には稲架)。 シソ科だから刈り取っていると何とも良い香りがする。
10/18 (2015年) 立て掛けて乾燥させ登熟したゴマを棒ではたいて脱穀。この後の選別・調整に手間がかかる。選別機はないので夾雑物は手で選り分ける。ゴマは健康に良いし国産品は0.1%と云うから始めたのだが、そう簡単にはいかないものだ。根気が続かずほとんど連れあいに任せている。(2023年より小川村農林公社に小型色彩選別機が入り、目視による選別は最後の確認だけで済むようになった。)
11/11(2017年) エゴマも同様に手作業。鉄製の機械を使ったらエゴマの実は傷んでしまうのでこの時は桐製の簀の子を使って脱穀した。北アルプス後立山連峰に新雪が光っている。
10/27 (2015年) 白馬三山に新雪がついた日、洗ったエゴマ(油分の多い黒種)を天日で干す。ゴマもまったく同じように干した。 違いは洗っているときにゴマは水に沈み、エゴマは浮く。したがって微小な石などの異物を取り除くのはエゴマのほうが簡単。